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Ena Fujita

九州の自然を楽しみながら保全するネイチャーツアー

旅先で見た絶景を自分の子供や孫にも見せたいと思ったことはありませんか?

残念ながら我々が見ているこの景色は、100年後には変わっている可能性もあります。


地域の豊かな自然を旅を楽しみながら守り後世へ残していけたら素晴らしいと思いませんか?

阿蘇の千年草原


豊かな地域資源は観光にも活かされており、各地でユニークな体験を楽しむことができます。

きちんと保全された自然があるからこそ、旅行者はその景色や食材を味わうことができ、次の世代も変わらず同じ自然も楽しむことができるのです。


サステナブルツーリズムに環境要素は欠かせないもので、自然も保全しつつ観光資源として活用する「保護と利用」の概念は日本の国立公園などでも提言されています。


今回は、九州の大分県と熊本県にて、国立公園を含む大きな草原や火山、地熱をエネルギーにした温泉など、地域において大切な自然の恵みを体感してきました。



別府の温泉エネルギーと共に暮らす


大分県別府市は温泉地として有名で、千年以上前は危険すぎて近寄ることができない場所であったため「地獄」と呼ばれています。

今は海地獄やかまど地獄など、7つの地獄温泉をめぐることができます。


海地獄


別府温泉の特徴は温泉の量と質です。

温泉量は、(環境省が2019年度に行った調査によると)大分県は源泉総数と湧出量ともに全国1位で、特に別府市は県内トップの温泉量です。

別府内の泉質は、7種類もあり、特に明礬温泉〜鉄輪温泉の順に入ると、美肌効果がとても高くなります。


温泉の入るスタイルも、薬草の上に横たわる蒸し湯や、砂の上に横たわる砂湯など、様々な楽しみ方があります。

豊富な泉質と湯量、入浴スタイルにより、長期で滞在し体を癒す「湯治」をしにくる人も多いです。


明礬温泉


一面に広がる温泉の煙は街自体が温泉のようです。

温泉の熱は、地元住民の生活に欠かせないエネルギーでもあり、電力発電など地元住民の生活の中でも活用されています。


大分県には、国内最大規模の地熱発電所が集結しており、地熱による発電電力量は全国の4割ほどで日本一です。地熱発電をはじめとした再生可能エネルギーの自給率は、大分県は再生可能エネルギー自給率28.1%と日本一です。


温泉の熱から再生可能エネルギーは作られますが、温泉の熱を電子レンジ代わりに調理に使ったりなど普段の生活でも使われています。



地獄蒸し料理


そんな温泉エネルギーを使って調理した食事を体験しましょう。


今回は大黒屋という旅館兼食堂で、温泉の熱で調理された「地獄蒸し」をいただきました。

温泉の熱から出る90度の煙で野菜や肉魚を約6分で調理します。迫力のある釜戸に自分で食材を持っていき調理します。

温泉の熱で蒸しあがった食材は、温泉のミネラル豊富で塩味もあって美味しいです。

お店の周りで食材を購入した持ち込み食材を調理していただくこともできるので、自分が好きな食材を選ぶことができます。


温泉地での自然のエネルギーを使ったサステナブルな食事体験を通じて、別府を5感で味わってみましょう。



サステナブルな素材 ”竹”で作る伝統工芸品



大分県は竹の栽培が盛んで、竹細工は、古くから天皇への贈り物や温泉湯治客へのお土産として全国に広まっていきました。


別府竹細工は100年以上前から続く経済産業大臣認定の伝統的工芸品で、伝統的技法による竹細工は芸術作品としても様々な場所に展示されています。

別府市竹細工伝統産業会館では作品の展示や商品の販売、ワークショップも行っています。


竹細工の作品はどれも美しく、特に人間国宝の方の作品は一級品でした。

人間国宝の竹工芸家は、1967年に初めて認定された生野祥雲斎と今年2024年に認定された九重町の竹工芸家・岐部笙芳がいます。



竹はサステナブルな素材としてプラスチックの代わりに日用品として代用されることも多く、カトラリーや歯ブラシ、お弁当箱など、丈夫な素材なので、長く使うことができます。

ショップには竹の日用品以外にも竹細工のアクセサリーもあり、ファッションアイテムとして取り入れるのもお洒落ですね。


竹の伐採とワークショップのツアーや竹細工を作る個人アトリエへの訪問もあり、様々な方法で伝統工芸品に触れることができます。


サステナブルな要素が沢山詰まった大分別府でのリラックスする滞在をお楽しみください。




熊本阿蘇のサステナブルな1000年の草原


阿蘇地域は熊本県の東部、⼤分県・宮崎県との県境近くに位置しており、「阿蘇くじゅう国⽴公園」の中にあります。


阿蘇山は現在も活動している活火山です。


阿蘇山の火口


阿蘇山の麓に広がる草原は、約1万3千年前、縄文時代から存在したと言われており、人と自然が手をとり合い草原を育んで来ました。

日本の気候では自然の力だけでは草原は維持できず森林になってしまうので、人が適度に手を加えることで自然のバランスを保ってきました。

草原のメリットは、土砂災害の被害を緩和する、水源涵養機能(雨水の蓄えと排出)が優れている、生態系多様性、炭素を地中に貯める、など様々です。


今回は、アドベンチャーサイクル阿蘇山草原ライドを通じて、人と自然の協働によって生まれた阿蘇の草原を体感してきました。


阿蘇の草原を守るには、草原を定期的に減らして新しい草を生やす必要があり、そのために放牧、採草、野焼きなどが行われてきています。


草原に放牧された「あか牛」が食べる採草が行われていましたが、今では牛は300頭に減ってしまいました。

あか牛は脂身より赤身が多く食べやすく、100グラム食べることで1畳の草分を消費したことに相当します。


あか牛

野焼きとは、縄文時代から続く草原を守る上で大切な方法で、1年に1回人の手で草原を焼きます。実際に野焼きを行うガイドさんに話を聞きました。


野焼きは、新しい草原の再生と植物や昆虫の絶滅危惧種の保護にもなり、アマゾンの野焼きとは異なり、広範囲で1センチ体感3秒ほどのため生態系への悪影響は少ないそうです。

焼く際に排出された二酸化炭素は炭素を含む灰になり草に吸収されます。再生された草原は熊本が排出する二酸化炭素の二倍分を吸収しています。


草原を焼く作業は、危険な上に焼かない部分との境目を刈る作業も大変なので、人手不足で野焼きする面積が減っており、過去100年で草原面積は半分以下になってしまいました。


e-bikeの草原ライド


綺麗な景色を実際に見て、その問題を知ると何か自分もしたいという気持ちになりました。

実は、このツアー参加費の一部は環境保全の活動にあてられるので、阿蘇の自然を楽しみながら守ることができます。

冬には実際に野焼きをすることで阿蘇の活動をサポートできるツアーもあるので、季節に応じてどちらも楽しみながら守ることができます。


実際に参加して、阿蘇の生態系や草原の野焼きなどについて学ぶことができ、守られた豊かな草原を自転車で駆け抜ける体験は今年1番の思い出となりました。


あなたも阿蘇の景色を見た時、この景色を後世に残したいと思うはずです。

一緒に楽しみながら自然を守るツアーへ参加しませんか?



Tricolageではこのような環境保全と観光を両立させた特別な旅をお届けすることができます。

是非、私たちと一緒にまだ経験したことのない旅へ出かけませんか?

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