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  • Fumiko Yoshida

【セミナーレポート】サステナブルツーリズム x SDGs:SDGsの観点からみる新しい旅行の形

「サステナブル」や「SDGs」というワードを最近よく耳にするのではないでしょうか。実はコロナ禍で、「サステナブル」の観点から旅行が語られることが増えてきています。今回のセミナーでは、新しい旅の形として国内外での取組みが活発化している「サステナブルツーリズム」について、お話させていただきました。



サステナブルツーリズムとは、一体何なのか


そもそも、「サステナブルツーリズム」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?


何となく分かるけど、うまく説明することができない・・・

「エコツーリズム」みたいなこと・・・?


と思われる方は多いと思います。

定義は非常に広いですが、国連世界観光機関によると、


「訪問客、業界、環境および訪問客を受け入れるコミュニティーのニーズに対応しつつ、現在および将来の経済、社会、環境への影響を十分に考慮する観光」

と説明されています。


もう少し簡単にすると、こうなります。


経済・社会・環境への問題に対応しながら、今だけでなく子どもたちの世代になってもずっと、訪問側と受入側双方にとって望ましい観光



広い定義が示す通り、持続可能な開発目標SDGsにおいて、サステナブルツーリズムはほぼ全ての目標に資すると考えられています。



ここで注目したいのが、目標17の「パートナーシップ」です。

定義でも見たように、サステナブルツーリズムは一人のニーズを満たせば良い訳ではなく、多くの関係者にとって望ましい観光であることが求められています。

そのためには、横連携しながらみんなで作り上げていくことが大切なのです。



パートナーシップで実現するサステナブルツーリズム


世界にはさまざまなパートナーシップが存在しますが、中でも国連世界観光機関が主導するGSTC(グローバルサステイナブルツーリズム協議会)は、持続可能な観光を実現するための指標やガイドラインを示す最も重要な国際的機関の一つです。

2021年5月現在、ヨーロッパを中心とした世界の国や地域、企業からGSTC登録団体数は300を超え、2020年には日本の観光庁も加盟するなど、世界中での連携が広がっています。


国内では、2020年遂に「日本版持続可能な観光ガイドライン(JSTS-D)」が観光庁より発表されました。地方自治体や観光地域づくり法人(DMO)を対象に、サステナブルツーリズムの実現に向けて、GSTCに準拠した日本独自の指標を示しています。


2020年度には5つのモデル観光地、今年度は15地区が新たに選ばれ、トレーニングプログラムや専門家派遣による観光地経営アドバイスなどの取組みを実施しています。




なぜ今、サステナブルツーリズムが注目されているのか


82%の旅行者がサステナブルツーリズムは重要と考えている、という調査結果が、2020年にBooking.comより発表されました。


結構いるな・・と思われた方、多いのではないでしょうか?


世界では、サステナブルツーリズムが主流になりつつあることが分かりますが、日本でも最近はこの新しい観光の形が話題になっています。

この風潮を加速している要因としては、

  1. SDGsの認知度向上

  2. ESG投資の成長

  3. コロナ禍での価値観変容

が挙げられると考えています。



1. SDGsの認知度向上


日本における SDGsの認知度は、2018年の14.8%から2021年には54.2%、実に約4倍の上昇を見せています。サステナビリティに対する一般的な消費者の意識が高まっていることが分かります。


2. ESG投資の成長


旅行は、余暇としてのレジャートラベルと、出張などのビジネストラベルの、大きく2つに分けられます。ビジネストラベル市場は世界の旅行市場の20%を超えており、ビジネストラベルの動向は旅行市場全体に大きな影響を及ぼします。


ESG投資とは、環境(Environment)・社会(Society)・企業統治(Governance)の3つの観点から、企業の将来性や持続性を分析・評価した上で、投資先を選別する投資のことを指します。ESG投資は2006年に提唱されるようになったと言われています

サステナブル投資に投下されたアメリカの運用資産は、2018年から2020年にかけて42%増加していることからも分かるように、ここ数年で一気に注目を浴びるようになりました。

企業にとって、サステナビリティは今や、「努力義務」から「義務」へと変わってきているのです。


ビジネストラベル市場では、このESG投資の成長が影響し、サステナブルツーリズムが大きく加速すると考えられます。


3. コロナ禍での価値観変容


コロナ禍で当たり前のことができなくなったり、世界の状況を知る機会が増えて社会問題へ関心が高まったことから、人々の価値観が変容してきています。ある調査では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響前後で、「個人の幸せだけでなく社会全体のことを考えていきたい」と考えるようになった人々の割合が1.5倍増えたことが分かりました。


すでにあった「サステナビリティ」への人々の意識が、コロナ禍によってより加速し、SDGsやESG投資への取り組みが推し進められていると言えるでしょう。



サステナブルツーリズムに向けて、何ができるか


次の旅行の計画で取り入れられる小さなアクションから、業界全体で取り組んでいきたい中長期的な目標まで、それぞれの立場で何ができるのかをいくつかご紹介しました。



旅行者として

  • STAY LONGER:地元の宿へ、一日長く滞在する計画を立ててみる

  • ENGAGE CULTURE:地元の特産品を生産している工房・農場訪問を計画する

  • CHOOSE THE RIGHT PARTNER:持続可能性を考慮した旅行業者を選択する


旅行業界として

  • USE LOCAL:サプライチェーンを見直し、地元の事業者や商品を利用する

  • CREATE PROGRAM:サステナブルプログラムを作成し、旅行者に提供する

  • JOIN INITIATIVE:認証プログラムや国際署名に参加し課題と⽬指すべき姿を明確化

コミュニティとして

  • LEARN AREA:地域の文化や歴史を学ぶ

  • REDISCOVER VALUE:魅力を再発見する

  • GUIDE TRAVELERS:自らの言葉で地域を語る


まずは旅行者として、小さなアクションを取り入れてみるのはいかがでしょう。

みなさんが考える「旅行者としてできること」は何ですか?

セミナーでは一例をご紹介させていただきました。是非みなさんのご意見をお聞かせください!


今回のセミナーでは、サステナブルツーリズムの基礎知識から具体的なアクションまで、幅広くお話いたしました。これからますます目が離せなくなる「サステナブルツーリズム」について、トリコラージュは引き続き情報発信していきます。


セミナーの全編はこちらよりご覧いただけます。



サステナブルツーリズムやインバウンドなどに関するお問い合わせはこちらまで!


セミナー情報


■ テーマ

サステナブルツーリズム x SDGs:SDGsの観点からみる新しい旅行の形


■ 主催

「持続可能な共生社会の発展プロジェクト」タスクフォース事務局


■ 日時

2021年5月21日(金)14:00~15:00


■ 形式

ZOOMウェビナー(オンライン)


動画のアーカイブはこちらからご覧いただけます。


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