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  • Samantha Lees

【イベント企画事例】サステナブルなネットワーキングパーティーを企画

更新日:2022年12月28日

イベントを成功させるためには、食事、物流、従業員教育、リソース等、あらゆることをきちんと管理することが必要です。それに加えて、これからはイベント自体が環境や社会に与える影響にも配慮することが極めて重要なのです。


インバウンド企画運営サービスに加え、Tricolageでは、国内の企業様や地方自治体、観光事業者様に向けたコンサルティングサービスも提供しています。持続可能な観光やイベントの運営に向けて、共にその実現をお手伝いします。


先日、外食・宿泊・レジャー、ケータリング、そして厨房機器に関わる日本最大級の商談展示会が東京ビッグサイトにて開催され、4日間で28,000人以上が来場されました。


2022年で第50回目を迎えた同展示会は、これを記念して「第50回記念 エグゼクティブネットワーキング」と題し、日本全国の宿泊・飲食業界のエグゼクティブをご招待したパーティイベントを開催。Tricolageは本イベントの企画・運営、そして参加者管理と全体の事務局を担当させていただきました。


さらに、Tricolageはサステナビリティアドバイザーとして、準備段階から関係各社の持続可能な運営のための戦略策定はもちろん、参加者が自らのビジネスにおけるサステナビリティのヒントを得られるようなコンテンツを企画しました。



サステナブルなイベントに必要なこととは?


イベントはそれがきちんと運営された時、経済的・社会的に大きな利益をもたらします。しかし一方で、エネルギーの大量消費や廃棄物の発生、二酸化炭素の排出など、環境に大きな悪影響を与え、スタッフの過重労働や地域コミュニティの疎外など、社会的にも負の影響をもたらす可能性があります。


今回のエグゼクティブネットワーキングパーティは、ホスピタリティ業界が緊急かつ本格的に取り組むべき「サステナビリティ」をテーマに企画されました。企画準備から運営に至るまで、サステナブルなイベントを実現するためにあらゆる取り組みがなされました。



参加者と運営者の交流


ネットワーキングはもちろんのこと、ホスピタリティ業界における持続可能性について参加者自身が自ら考え意見を共有しながら議論を深めていただくことが、本イベントのもう一つの大きな目的でした。この会をきっかけとして、実際の事業において具体的なアクションに繋げて行っていただくことで、本イベントの真の目的が達成されると考えています


宿泊・飲食業界におけるサステナビリティに関するニュースやデータをまとめた冊子「サステナビリティトレンド 2022」を制作し、参加者全員に事前にメールで配信しました。この冊子には、喫緊の課題や国内外における実際の取組事例など、業界のサステナビリティに関する最新情報を紹介しています。掲載している情報をいくつかご紹介しましょう。

  • 世界の水使用量の5%は、ホスピタリティ産業によって消費されている

  • 世界の温室効果ガス排出量の26%が食品生産に起因

  • シックスセンシズ ホテル リゾート スパグループは、ホテルとスパ事業において使い捨てプラスチックを完全に取り除く「プラスチック・フリー2022」戦略を実施。

  • ホテルグレイスリー」と「ワシントンホテル」が、フードロス削減アプリ「TABETE」を導入。朝食ビュッフェの料理をランチボックスに詰め込んで、近隣の住人やビジネスパーソンに販売を開始。


ホスピタリティ業界 サステナビリティトレンド 2022

会場内にて一際目を引いた9本の柱。これは、SDGs(持続可能な開発目標)の17の目標ごとに参加者に取り組みをシールにて共有・共創していただくSDGsウォールです。宿泊・飲食業界のSDGsの取り組みを可視化し、他社の取り組みから自社のサービスへのヒントを得ることを目的としています。当日はSDGsウォールの周りに多くのビジネスリーダーが集まり、意見を交換しました。



参加者がSDGsウォールで共有した取組事例をいくつかご紹介しましょう。

  • 温泉熱を利用して、水を予熱して全館空調として利用し、灯油・ガス・電気の使用量を大幅削減(目標7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに)

  • 館内の生ごみを処理し、田んぼに戻して育った米を再び提供(目標11 住み続けられるまちづくりを)

  • 環境に配慮したアメニティを導入(目標12 つくる責任 つかう責任)

  • ベジタリアンメニューを増や巣、高効率エネルギーシステム導入、有機野菜の調達、センサーで客室の節電(目標13 気候変動に具体的な対策を)



イベントのサステナビリティ評価


イベント終了後には、包括的なインパクトレポート(影響報告書)を作成し、当社を含む運営側の評価を実施しました。


影響評価に際しては『TOKYO MICEサステナビリティガイドライン』に基づいて独自に開発した評価チェックリストを基に実施しました。このガイドラインは、運営組織内の環境意識を向上させ、持続可能なイベントを開催するための枠組みを示すために、公益財団法人東京観光財団が発行したものです。


当社を含む運営事業者に対して調査を実施し、結果をインパクトレポートとしてまとめました。調査項目は、サステナビリティガイドラインで示されている5つの分類を使用。取組を5つに分類することで、持続可能なイベント準備、開催、成果を包括的に把握することを目指します。



5つの分類における本イベントの取り組みをいくつかご紹介しましょう。


1. 管理と教育

  • 持続可能性に配慮した運営を目指し、主催者はイベント実施要項に持続可能性についての方針を盛り込んでいる

  • 持続可能性に関するアドバイザー担当者(事業者)を配置し、イベントの持続可能性について計画、取組を実施する

  • 持続可能性に配慮した取組の内容を報告書にまとめ国内外へ発信する


2. 調達

  • 地域の旬の食材やフェアトレード製品を提供する

  • 参加者の宿泊先には、ブッキングドットコムの「トラベル・サステイナブル・バッジ」取得のホテルを選定する

  • サステナビリティへ取り組む農園・生産者パートナーから物品やサービスを購入する(例:ミカフェート


3. エネルギーと水

  • 会場の電力の4.5%を太陽光発電で賄っている

  • 会場の50%は、LED照明を導入している

  • 会場は公共交通機関でアクセスできる

Digital menu wine glasses at event
フードメニューにはQRコードを使用

4. 廃棄物

  • ビュッフェスタイルを廃止し、少量ずつ小皿に分けて提供することで、フードロスを削減する

  • 会場の設営に使用する什器(SDGsウォール)には、軽量でリサイクル可能な段ボールをを使用する

  • 紙の使用を極力減らし、案内状やフードメニューには電子を使用する


5. コミュニティ

  • 福島県にある農業高校の生徒とオンラインで繋ぎ、参加者に想いを直接伝えたり、参加者が質問したりと交流を深めた。会場では高校生たちが育てたお米をデザートとして提供。地域コミュニティが食のサプライチェーンに深く関わることを改めて認識するきっかけとなった。


福島県の農業高校とオンラインで繋ぐ

より良い、より持続可能なイベントに向けて


日本国内やホスピタリティ業界において、サステナビリティに関する話題はよく耳にするようになりましたが、主流となり始めたのはここ数年のことでしょう。今回「サステナビリティ」がイベントのメインテーマとして選ばれたことは、業界リーダーの間で意識が確実に高まっていることを示すものであり、非常に心強いことでした。


インパクトレポート

サステナブルなイベントは一朝一夕にはなし得ず、私たちもまだ道半ばです。今回の課題を明らかにし、次回の改善に繋げて行けるようにすることも、このインパクトレポートの重要な目的の一つです。

  • 運営組織内での明確な目標設定、戦略策定と実行、レビュー

  • 経済的・社会的・環境的な成果の定量的な効果検証

  • 運営スタッフ全員への持続可能性及び廃棄物削減目標に関する研修


今回のイベントは、あらゆる側面、関係者にとって成功だったと言えるでしょう。特にコロナ禍によって、対面式のイベントの実施は困難となっています。このイベントを通して、安心・安全を確保しながら持続可能な形で運営するための実践的なヒントを得られた、というお声も多くいただきました。

イベントはその運営面だけでなく、参加者や運営者間が楽しい時間を共有し、会話の中でイノベーションやアイデアを生み出して行動に移していくことが重要だと考えています。

サステナビリティは単なる理想ではなく、実現可能で有益なものであることを示すー

このことをイベントの中でご提案することが、今回のイベントの最も重要な使命でした。


サステナブルなイベントの開催をご検討の方、イベントを通してより良い未来を提案していきたいとお考えの方、お気軽にTricolageまでお問合せください!



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